2012年5月18日金曜日

大人のニキビQ&A - 大人ニキビのためのサイト「いいお肌.jp」


もともと私は産婦人科医でした。産婦人科認定医をとり、その後慈恵医大皮膚科へ入門しました。ニキビは病気だという事を皮膚科に変わってからはじめて知り、私自身がカルチャーショックを受けました。患者さんから、生理1週間前になると悪化するということを聞き、ひょっとしたらホルモンが関係しているのではと考えました。そしてニキビ外来を昭和62年に開設し、沢山の患者さんを診ているうちに4つの共通点を見つけました。

  1. ストレスの多い働く女性に多い。
  2. 生理1週間前にひどくなる。
  3. 下顎や首など、顔の外側に多い。
  4. なかなか通常の治療で治りにくい。

そこで数百人の患者さんの血液を採りニキビのない女性と比べてみると、男性ホルモン値が約2倍多いことを発見し、論文にまとめ医学博士になることができました。
その後、過剰な男性ホルモンはストレスによる可能性があることを、ドイツの皮膚科雑誌に1993年1月に日本ではじめて報告しました。このことは、1999年11月15日の日刊工業新聞の記事での資生堂の発表でも再確認されています。つまり、おとなのニキビは男性化の症状なのかもしれません。写真を見れば一目瞭然です。
その後、数件の日本人の論文でも同様のデータがあるようです。

思春期の方には、絶対に行いません。おとなのニキビの方は詳しい問診と臨床症状を診て、男性ホルモンを採血した後に、ホルモン療法を行うか慎重に決定します。
男性には基本的にはホルモン治療は行いません。

確かに、ホルモン療法は安易にやるものではありません。産婦人科と皮膚科の両方の知識がないと、やってはいけない治療です。ホルモン療法は色々なホルモン剤がある中で、その人の症状や血中男性ホルモン値を考慮して、ホルモンのコンビネーション療法と呼ばれる複数のホルモン剤を選択します。そして、高い男性ホルモンを下げるまで行います。ホルモン療法は、注射するわけではなく内服のみですので、それほど心配されないでよいと思います。


下肢痛のテスト

それは、今まで診察してきた約40,000人の患者さんの経験から、薬の種類と量を決めます。どのように減らすかは文章では説明ができない、いわゆる『職人芸』でやっています。
薬は、中、低用量ピルを使用するホルモン療法と、ホルモン様作用を有する薬剤を使用する擬似ホルモン療法の2つの治療があります。
それは思春期女性、思春後女性、男性、生理不順合併患者、症状別、薬による男性ホルモン変動など、いろいろなタイプの患者さんの日本人におけるホルモンデータを唯一日本で持っているからできるのです。これはかつて在籍していた慈恵医大の皮フ科教室のご協力があったからこそであり、大変感謝しております。

低用量ピルも数種類ありますが、ニキビに効くピルと、あまり有効でないピルがあります。また中用量ピルでも黄体ホルモン含有の違いにより、効果が異なり、逆に悪化するピルもあるようです。
よって現在は、当クリニックではあまり積極的に行っていません。

そうです。色々な副作用が患者さんによって起こることがあり、それは薬の量や種類とは関係ありません。ですから、投与する前に文章で副作用の説明を行い、必ず承諾書にサインを頂いてから、治療を開始します。しかし、ホルモン採血は自費ですので余分に費用がかかります。

患者さんの80%は、3〜4ヶ月でかなり良くなります。しかし、10%の人はまったく反応しません。10%の人はやめたら、また再発します。しかし、どの人が再発したり、全く効果がないのか、症状のひどさと関係ないため、正直わかりません。また生理前の悪化はホルモン療法でも無効です。

また、最近の追跡調査で80%の有効例のうち、2年以内に約15%の方が再発する事がわかりました。

強力なホルモン療法でも、80%しか治せません。ですから、スキンケアをしっかりやっても、マッサージや健康食品、食事療法、化粧品など自分自身で努力をしてもそれだけで治すことはほとんど不可能と思います。


薬の画期的な背中の痛み

目安は、3〜4ヶ月で症状をなくし、その後は、ニキビ跡やニキビ後のシミの治療に中心をおくので、さらに3〜4ヶ月かかります。ですから、平均6〜8ヶ月です。それほど、おとなのニキビはホルモン療法という強い治療でも長時間かかる難しい病気なのです。男性の場合はよほど重症でない限りは、抗男性ホルモン治療をすることはありません。ニキビ跡やシミには、ビタミンCと女性ホルモンのイオン導入(調布店50分5,775円〜)が大変有効です。

残念ながら一発逆転のような有効な治療法はありません。ケミカルピーリングやレーザーもそれほど効果はありません。地道な「ビタミンC誘導体」のイオン導入が一番効果的です。  このビタミンC誘導体を使ったイオン導入が忙しくて出来ない方は、自宅で出来るホームイオン導入器の購入をお勧めしています。詳しい事はアクネメディカルへお問い合わせください。
 最近では、「フラーレン」を使用したイオン導入も、かなり有効な手段として実績を出しています。

慈恵医大にいた平成4年ころは、1年の患者数は400人ぐらいでしたが、平成10年、慈恵医大を退職する前には、1年に1,000人を突破しました。平成11年7月に調布に開業しましたが、すでに、ニキビの初診患者数が40,000人以上(ちなみに平成13年度に当院を受診したニキビ患者数は2,986人)です。

それ以降のデータはとってありませんが、女性はストレスによりオイリースキンになり、ニキビができやすくなるのです。ですからアメリカのストレス社会と同じ傾向をとっていくことは間違いなく、ますます増えていくことでしょう。

この病気の本質は婦人科医の私からみても一番遠い位置にあり、皮膚科医の立場から見ても婦人科疾患に近い位置にある、つまり両方のはざまにある疾患だからと思っています。
ニキビの背後に多のう胞性卵巣(PCO)がある場合も非常に治療が難しいと思われます。

昔から、大人になるとあごや首などの顔の下方にニキビが出来ると言う現象は、世界中の皮膚科医が知っていました。しかし、ほお杖をつく、マフラーが触るから、セーターが首に触れるから、化粧が落ちにくく残るからだろうと、誰もが疑問に思わずそのような説が正しいとされていました。


どのような家庭治療は、歯の痛みをsmootheますか?

私はそのような説は絶対におかしいと思っていましたが、納得のいく答えが自分なりに得られず、1年位考えていました。そんなある日、たまたま立ち寄った本屋でテニスジャーナルの表紙に写った某テニスプレーヤーを見て、ひらめきました。『何だ!ひげが女性のニキビが出来る部位と一致しているではないか』と。

そして1990年、おとなのニキビの出来る部位が男性のひげの部位に一致すると世界で初めて明言した皮膚科医になりました。

しかしこの考えの科学的根拠はまだ裏づけされておらず、私の勝手な推論ではありますが・・・。(笑)

ケミカルピーリングやレーザーは大人のニキビを良くするには有効かもしれません。しかし大人ニキビを根本から治す治療法ではない為、良くなってもまた再発を繰り返す事になります。ですから、当院では治療としてこれらの方法を取り入れる事はしません。

これからも油断は禁物です。油断して生活のリズムの乱れがひどくなると、ニキビが再発するからです。再発したら、まず、自分の生活を見直してください。それと共に、出来れば、ニキビ予防のサプリメントとして【エストラアクネブロック】、美白作用のあるビタミンC誘導体とレチノールの入ったローション【Cローションプレミアム】、当院の緑軟膏成分と同じ、鯨油の成分や亜鉛、女性ホルモンが入っている【エストラナイトクリーム】を今までと同じ方法でご使用ください。抗生物質は入っていないので、緑軟膏の約60%の効果と劣りますが、それでも市販のおとなのニキビ用の化粧品には勝るでしょう。

大人のニキビ治療はマラソンを走るごとく大変時間がかかり、患者さんと医者の両者に治すぞという根気と気力が必要です。
ニキビやニキビ痕とも長期間治療を要します。短期間で、これで治せますというような甘い言葉には要注意です。最強のアキュテイン内服でさえ6ヶ月はかかります。ですからあせらないでゆっくり長い坂道を歩くようなスタンスが良いと思います。
当クリニックのホルモン療法は、この10年の間にだんだんと進化を遂げています。
現在では、ホルモンの中でも「イソフラボン」を中心としたホルモン療法に変わりつつあります。これは患者さんから得た新しい知見があったからです。


このサプリは健康食品としての限界がありますが、ニキビに効果があったと好評を得ています。
やはり1日4錠服用の方が2錠服用より効果がある方が多いのは事実のようです。しかし、低用量ピルと同じ様に、サプリを飲んでアゴの辺りのニキビが悪化したと言う人もいます。ホルモンバランスは微妙な関係ですので、その場合は量を減らすか中止して様子を見てください。

下顎や首のこもった大きなにきびに、絆創膏やガーゼで密封しておく密封療法が有効です。これですと寝具を汚さずにすみます。

これがわかれば、ニキビとホルモンの関係のなぞが解けたのも同然です。しかし、全く増悪機序がわからないのです。黄体ホルモンが関係しているなどという安易な理論が女性誌にたくさんはびこっていますが、全くの間違いです。私はこの説にずっと前から疑問にもっています。ニキビの患者さんに黄体ホルモン剤を月経前に服用させたりしましたが、悪化は全く認められませんでした。黄体ホルモンが男性ホルモン様作用を持つとか脂ギタギタホルモンだとかいう説は間違いです。黄体ホルモン入りの外用クリームを用いた経験もありますが、ニキビの赤みが良くなった方もいます。ですから、答えはブラックボックスであり、これがわかればニキビ治療は更に進化するはずです。

自分の経験や感性を信じてください。一般誌・女性誌、TV番組・TVCM、インターネットなどで、ニキビや二キビ痕がすぐ治るなどという情報を鵜呑みにしないでください。
たとえば、背中のニキビなどは月経前に増悪することを、気づいている患者さんがいます。そのことに気づけば背中のニキビが、いかにホルモンが関与しているかわかるでしょう。また、チョコレートを食べてニキビが悪化するという方も、食生活がニキビの悪化に影響するというその人自身の体質のもつ体験です。
そういう自分の目でまず体験し、自分の気づいたことを信じなさい。そして、そのあと念のためにインターネットなど調べて、さらに情報を精査、吟味してください。
繰り返して言いますが、まずは、自分のニキビの本質は、自分の感性でキャッチすることです。TVCMなどに惑わされているニキビ難民が右往左往しているのをこの目で見ると、私は悲しくなります。もし、私のホルモン治療でさえ合わないなあと感じたら、それが自分の直感ですから、それを信じるのも一つの考えです。



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