Clinical Practice Guideline for the Use of Antimicrobial Agents in Neutropenic Patients with Cancer: 2010 Update by the Infectious Diseases Society of America Clin Infect Dis. 2011 Feb 15;52(4):e56-93.
I.発熱性好中球減少症患者における高リスクあるいは低リスク患者の区別、 またはリスクアセスメントの役割とは何か? 1.発熱を呈する患者では重症感染を合併しているリスクのアセスメントが おこなれなければならない(A-II)。リスクアセスメントにより、経験的抗菌薬治療が どういった形でおこなわれるか(経口か静注か)、治療の場(外来か入院か)、 抗菌薬の治療期間が決まるかもしれない(A-II)。 2.ほとんどの専門家は、高リスク患者は7日以上続くまたは深刻な好中球減少症 (抗癌剤治療後、絶対値で 医学的合併症、低血圧、肺炎、腹痛、神経学的変化がある患者としている。 こういった患者は、経験的治療のために入院すべきである。(A-II) 3.低リスク患者、7日未満と短い好中球減少期間が予想され、合併症が全くないか ほとんどない患者は、経口の経験的治療が適応となる。(A-II) 4. 公式なリスク分類としては、Multinational Association for Supportive Care in Cancer(MASCC)スコアシステムを用いる。(B-I) i. 高リスク患者はMASCCスコアが21未満である(B-I)。高リスクの全患者は 入院して経験的治療を受ける必要がある(B-I)。 ii. 低リスク患者はMASCCスコアが21より高いものである(B-I)。 この患者は経口および/または外来の経験的治療が適応されるかもしれない(B-I)。