2012年4月14日土曜日

発熱性好中球減少症 IDSAガイドライン - 救急一直線 特別ブログ  Happy保存の法則 *当教室のHP もよろしくお願いします*


Clinical Practice Guideline for the Use of Antimicrobial Agents in Neutropenic Patients with Cancer: 2010 Update by the Infectious Diseases Society of America
Clin Infect Dis. 2011 Feb 15;52(4):e56-93.

I.発熱性好中球減少症患者における高リスクあるいは低リスク患者の区別、
 またはリスクアセスメントの役割とは何か?
1.発熱を呈する患者では重症感染を合併しているリスクのアセスメントが
 おこなれなければならない(A-II)。リスクアセスメントにより、経験的抗菌薬治療が
 どういった形でおこなわれるか(経口か静注か)、治療の場(外来か入院か)、
 抗菌薬の治療期間が決まるかもしれない(A-II)。
2.ほとんどの専門家は、高リスク患者は7日以上続くまたは深刻な好中球減少症
 (抗癌剤治療後、絶対値で  医学的合併症、低血圧、肺炎、腹痛、神経学的変化がある患者としている。
 こういった患者は、経験的治療のために入院すべきである。(A-II)
3.低リスク患者、7日未満と短い好中球減少期間が予想され、合併症が全くないか
 ほとんどない患者は、経口の経験的治療が適応となる。(A-II)
4. 公式なリスク分類としては、Multinational Association for
 Supportive Care in Cancer(MASCC)スコアシステムを用いる。(B-I)
i. 高リスク患者はMASCCスコアが21未満である(B-I)。高リスクの全患者は
 入院して経験的治療を受ける必要がある(B-I)。
ii. 低リスク患者はMASCCスコアが21より高いものである(B-I)。
 この患者は経口および/または外来の経験的治療が適応されるかもしれない(B-I)。

II. 初期アセスメントとして、どのような敗血症の検査、培養がおこなわれるべきか
5.ラボ検査は血球分画を含むCBC、血小板、血清クレアチニン、尿素窒素、
 電解質、肝機能酵素、総ビリルビンが行われるべきである(A-III)。
6.最低でも2セットの血液培養が推奨される。
 中心静脈カテーテルが留置されている場合は、そのルーメンと末梢静脈
 から採血してもよい。中心静脈カテーテルがない場合は、末梢静脈から
 2セット採取すべきである(A-III)。40kg未満の患者の場合、
 血液培養量はトータルの血液量の1%未満におさえるべきである
 (トータル血液量は通常70 mL/kg)(C-III)。
7. 感染が疑われる部位からの培養検体は、臨床的に適応がある場合
 採取されるべきでる(A-III)。
8. 胸部レントゲンは呼吸器症状がある場合に適応となる(A-III)。


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III. 発熱性好中球減少症では、どのような経験的抗菌薬治療が妥当か
9. 高リスク患者は静注の経験的治療のために入院を要する。
 抗緑膿菌作用のあるβラクタム剤(cefepime, carbapenem、
 piperacillintazobactam)単剤治療が推奨される(A-I)。
 他の抗菌薬(aminoglycosides, fluoroquinolones, and/or vancomycin)
 を合併症(低血圧、肺炎)管理のため、耐性菌が疑わしい・確定している場合
 に初期治療レジメンに加えてもよい(B-III)。
10. vancomycin(もしくは好気性グラム陽性菌に活性のあるほかの抗菌薬)
 は発熱性好中球減少症の初期治療レジメンとしてはすすめられない(A-I)。
 これらの抗菌薬は、特殊な臨床状況下においてのみ適応されるものであり、
 カテーテル関連感染症、皮膚軟部組織感染症、肺炎、血行動態不安定な
 ときに考慮する。
11. 下記のような耐性菌感染のリスクが考えられる患者においては、
 特に状態が不安定であったり血液培養で耐性菌が陽性になった場合には
 経験的初期治療の変更を考えてもよい(B-III)。すなわち、
 MRSA,VRE,ESBL,KPCを含むカルバペネム耐性菌。
 i. MRSA:vancomycin, linezolid,daptomycin (B-III)
 ii. VRE:linezolid、daptomycin(B-III)
 iii. ESBLs: carbapenem (B-III)
 iv. KPCs: polymyxin-colistin、tigecycline (C-III)
12. ほとんどのペニシリンアレルギー患者はセファロスポリンに忍容性があるが、
 即時型アレルギー反応の既往が有る場合はβラクタム・カルバペネム使用は
 避けるべきであり、ciprofloxacin+clindamycinや
 aztreonam+vancomycinといった組み合わせを用いる(A-II)。
13. 新しい感染症状を呈した無熱性の好中球減少患者は、高リスクとして
 扱う(B-III)。
14.低リスク患者は初期経口あるいは静注の経験的治療を行うが
 特殊な臨床基準をみたせば外来における治療に移行してもよい(A-I)。
i. ciprofloxacin + amoxicillin-clavulanateの組み合わせは経口初期治療
 として推奨される(A-I)。他の経口レジメンとして
 levofloxacin またはciprofloxacinの単剤治療または
 ciprofloxacin+clindamycinがスタディは少ないもののよく使用される(B-III)。
ii. fluoroquinolone予防を受けている患者は経口初期治療として
 fluoroquinoloneを使用すべきでない(A-III)。
iii. 再入院あるいは入院継続は、遷延性発熱や症状持続があれば必要である(A-III)。


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IV. 発熱性好中球減少の経過でいつあるいはどのようにして抗菌薬を変更するか
15. 臨床的あるいは微生物学的データに基づいて初期抗菌薬レジメンを
 変更する(A-II)。
16. 説明できない遷延性発熱がある患者で状態が安定しておれば
 初期抗菌薬レジメンの変更はあまり必要ないかもしれない。
 もし感染が同定されれば、抗菌薬はそれにしたがって調節すべきである(A-I)。
17.臨床的および/または微生物学的感染は、部位や微生物感受性にあわせて
 適切な抗菌薬で治療されるべきである(A-I)。
18. vancomycinや他のグラム陽性菌をカバーする薬が初期に開始された場合、
 もしグラム陽性菌感染の根拠がない場合には2日後にやめてもよい(A-II)。
19.初期抗菌薬治療によっても血行動態が安定しない患者は耐性菌、嫌気性菌、
 真菌にまでそのカバーを広げて治療を行うべきである(A-III)。
20.入院で静注あるいは経口抗菌薬により治療が開始された低リスク患者は
 臨床経過が安定しておれば治療アプローチを単純化してもよい(A-I)。
 i. IV-to-oralスイッチは臨床的に安定していて消化器吸収不良が問題なければ
  おこなってもよい(A-I)。
 ii. 低リスク基準を満たす入院患者は毎日のフォローアップが可能であれば
  外来に移行可能である(B-III)。もし発熱が48時間以内に再度起これば
  再入院が推奨され、高リスクとして扱う(A-III)。
21. 経験的真菌治療カバーは高リスク患者でブロードスペクトラム
 抗菌薬治療後4〜7日後に発熱が遷延する場合、発熱源が同定できない場合
 に考えるべきである(A-II)。

V. 経験的抗菌薬治療期間はどのくらいか
22.臨床的あるいは微生物学的に感染が疑われる患者において、
 治療期間は微生物、感染巣に基づいて決定されるべきである。
 適切な抗菌薬治療は、少なくとも好中球減少の期間(500cells/mm3より
 多くなるまで)あるいは臨床的に必要であれば続けるべきである(B-III)。
23. 説明できない発熱がある患者では初期レジメンは骨髄機能が戻るまでは
 続けるべきである。歴史的にエンドポイントは好中球が500cells/mm3を
 超えるまでである(B-II)。
24. 代替案として、もし適切な抗菌薬治療が終了して
 すべての症状が軽快した場合、好中球減少が残る患者であっても
 経口fluoroquinolone予防は骨髄機能が戻るまで続けてよい(C-III)。


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VI. いつ抗菌薬による予防をおこなうべきか、どのような薬を用いるべきか
25. fluoroquinolone予防は、遷延性あるいは深刻な好中球減少
 (100cells/mm3未満が7日より多く続く)がある高リスク患者に
 考えるべきである(B-I)。
 levofloxacinとciprofloxacinは最も総合的に評価され、大雑把には同等であるが
 levofloxacinは口腔粘膜炎関連の侵襲性連鎖球菌感染症のリスクを上昇させる
 場合には好ましい。fluoroquinolone耐性の発育をモニターするために
 全身的な戦略は推奨される(A-II)。
26. グラム陽性球菌をカバーする抗菌薬をfluoroquinoloneの予防に追加することは
 一般的にすすめられない(A-I)。
27. 7日未満の好中球減少の遷延が危惧される低リスク患者に
 抗菌薬予防はルーチンに推奨されない(A-III)。

VII. 経験的あるいは先制的抗真菌治療はどのような役割があるか、
 どの薬剤を使用すべきか
・高リスク
28. 経験的抗真菌治療と侵襲性真菌感染症の検証は、4〜7日の抗菌薬治療ののち
 遷延性あるいは再発性の発熱があった場合、または7日以上の好中球減少が
 推定される場合に考慮されるべきである(A-I)。糸状菌予防をすでに受けている患者に
 特異的に使用すべき経験的抗真菌薬のデータは不足しているが、他のクラスの
 糸状菌対応の抗真菌薬にスイッチすることは考えてもいい(B-III)。
29. 先制的な抗真菌薬マネジメントは高リスク好中球減少患者においては
 容認できるものである。ブロードスペクトラム抗菌薬の治療後4〜7日後
 に発熱が続いているものの、臨床的に安定しておりレントゲンやCT(胸・副鼻腔)上
 明らかな異常がない場合、血液検査で侵襲性真菌感染症が否定的である場合、
 あらゆる部位からの真菌のリカバリーが無い場合には、抗真菌薬の投与は
 差し控えてもよいかもしれない(B-II)。抗真菌治療は上記のごとく真菌の存在が
 示唆される場合にはおこなわれるべきである。
・低リスク
30. 低リスク患者において、侵襲性真菌感染症のリスクは低く、そのため
 ルーチンに経験的抗真菌治療を投与することはすすめられない(A-III)。


VIII. いつ抗真菌薬による予防を投与すべきか、どの薬剤を用いるべきか
・高リスク
31. Candida感染の予防は、侵襲性真菌感染のリスクがある患者には推奨される。
 たとえば、造血幹細胞移植(HSCT)レシピエント、寛解導入療法中、
 急性白血病のサルベージ治療中など(A-I)。fluconazole, itraconazole,
 voriconazole, posaconazole,micafungin, caspofunginは
 すべて容認できる代替薬である。
32. 侵襲性アスペルギルス症の予防としてposaconazoleは、13歳以上で
 急性骨髄性白血病(AML)や骨髄異形成症候群(MDS)の化学療法下であれば
 予防なしに感染リスクがあるような場合は考慮すべきである(B-I)。
33. Aspergillus感染予防は、移植生着前の同種あるいは自家移植レシピエント
 においては効果的と考えられていない。しかしながら、糸状菌に対する薬剤は
 過去に侵襲性アスペルギルス症にかかったことがある患者にはすすめられ(A-III)、
 少なくとも2週間好中球減少が遷延することが危惧される場合(C-III)、
 HSCT直前に好中球減少期が遷延している場合(C-III)にもすすめられる。
・低リスク
34. 7日未満の好中球減少が予想される患者において、
 抗真菌予防はすすめられない(A-III)。

IX. 抗ウイルス予防にどのような役割あがるか、どのウイルス感染に治療が必要か
35. 単純ヘルペスウイルス(HSV)の血清学的陽性患者で
 同種HSCTを受けたり白血病の導入療法中の場合には
 acyclovirによる抗ウイルス予防を考慮すべきである(A-I)。
36. HSVあるいは帯状疱疹ウイルス(VZV)の治療は活動性のウイルス疾患があるという
 臨床的あるいは検査的な確証がある時に用いる(C-III)。
37. 呼吸器系のウイルス検査(インフルエンザ、パラインフルエンザ、アデノウイルス、
 RSウイルス、ヒトメタニューモウイルスの検査)や胸部レントゲンは
 鼻風邪などの上気道症状がある、および/または咳がある場合には適応となる(B-III)。
38. 不活化ワクチンによる季節性インフルエンザワクチン接種は、
 癌治療をおこなう患者すべてにすすめられる(A-II)。
 適切な接種時期は確立されていないが、血清学的な反応は
 化学療法が開始になる2週間より前ないしは化学療法サイクル中(治療後7日を
 超えたあと)には成立していることが望ましいかもしれない (B-III)。
39.インフルエンザウイルス感染は感受性のある株であれば
 ノイラミニダーゼ阻害薬により治療すべきである(A-II)。
 インフルエンザの曝露やアウトブレイクの状況下では、好中球減少患者は
 インフルエンザ様症状があれば治療を経験的に受けるべきである(C-III)。
40.上気道症状のあるRSウイルス感染の治療は、好中球減少患者においても
 行うべきではない(B-III)。

X.発熱性好中球減少症をマネジメントする上でのG-CSFやGM-CSFの役割は何か
41.予防的にコロニー刺激因子(CSFs)を用いることは発熱性好中球減少症の
 リスクが20%を超える場合に考慮すべきである(A-II)。
42. CSFsは発熱性好中球減少患者には一般的にすすめられる(B-II)。


XI. 発熱性好中球減少症患者においてカテーテル関連血流感染症の
 診断とマネジメントはどうすべきか
43. 120分を超えるdifferential time to positivity (DTP) がCVCと末梢静脈の
 血液培養で認められれば、中心静脈カテーテル関連血流感染症(CLABSI)を
 示唆する(A-II)。
44. S.aureus、P. aeruginosa、真菌、抗酸菌による
 CLABSIでは、カテーテル抜去は推奨され、なおかつ少なくとも14日の全身的
 抗菌薬治療が必要である(A-II)。カテーテル抜去は、いわゆるトンネル感染、
 ポートポケット部感染、敗血症性血栓、心内膜炎、血行動態不良の敗血症、
 72時間を超える適切な抗菌薬治療にもかかわらず続く血流感染症にも
 推奨される(A-II)。
45. コアグラーゼ陰性ブドウ球菌によるCLABSIの場合、カテーテルは
 全身的抗菌薬治療をしているときは抗菌薬ロック療法の有無を問わず
 抜去を保留してもよいかもしれない(B-III)。
46. 4〜6週間の長期治療は複雑性CLABSIには推奨される。
 すなわち、深部組織感染症の存在、心内膜炎、敗血症性血栓(A-II)
 あるいは持続的菌血症や真菌血症が適切な治療下でのカテーテル抜去後
 72時間を超えても存在する場合、と定義される
 (A-II for S. aureus, C-III for other pathogens)。
47. 手指消毒、マキシマムバリアプリコーション、CVC挿入中のクロルヘキシジン
 皮膚消毒は、全CVC挿入手技においてすすめられる(A-I)。

XII. 発熱性好中球減少患者をマジメントする上でのどういった環境的予防策が必要か
48.手指消毒はもっとも効果のある院内感染予防策である(A-II)。
49.標準予防策は全ての患者におこなわれるべきであり、感染特異的隔離は
 確実な徴候・症状がある患者においておこなわれるべきである(A-III)。
50. HSCTレシピエントはプライベートルームに配置すべきである(B-III)。
 同種HSCTレシピエントは1時間に12換気を超え
 high-efficiency particulate air (HEPA)フィルターを有する部屋に配置すべきである(A-III)。
51. 植物、花(ドライであろうとなかろうと)は入院中の発熱性好中球減少患者の
 部屋に持ち込むことを許可すべきではない(B-III)。
52. hospital work exclusion policiesは医療従事者(HCWs)が
 疾患や曝露の報告を奨励するようデザインされるべきである(A-II)。



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